会社で取り扱う鍵こそ防犯に優れたものにするべき

以前勤めていた勤務先で、空き巣被害にあったことがある。いつものように出勤してみると会社の前の道路にパトカーが停まっていて、いつもは鍵がしっかり閉まっている入口ドアも、ドア自体が開けっ放し。不審に思いながら事務所にあがってみると、総務担当の社員と社長が神妙な顔つきで警官と話し込んでいた。この時間に社長が出社しているという事実も、廊下から見える社長室の床の散らかりようから全てが理解できた。新社屋に引っ越してからまだ1か月も経っていない。引っ越しのバタバタで社員たちの気持ちも浮ついていたので、空き巣に入り込む隙を与えてしまったのだろうか。

幸いその時は、被害総額は少なかったらしい。単にその時だけ、社内に盗まれるようなお金などが、多く置かれていなかったということだが。元々新しく新築した本社ビルで、防犯設備もその時にしては最新のものをつけていたそうだ。ただ、まだ新社屋に慣れていないという単純な理由で、その防犯設備を使いこなしていなかったため、空き巣の侵入を許してしまった。空き巣から被害を守ったのは、大きな古い金庫。もちろん鍵も旧式だが、この鍵を空き巣は開けられなかったようだ。社長室の奥にあった金庫を、社長室の中央まで動かす努力をしたようだが、それも重さのため途中で断念し、新しい電話機など、ちょっとした家電製品を盗られただけで済んだ。

会社で取り扱う鍵こそ防犯に優れたものにするべきだが、その鍵をしっかり使いこなしていなければ意味がない。多くの人間が出入りする会社だと、その鍵の取り扱いも慎重にしなければならないが、会社を守るためにはまずその鍵の取り扱いルールを作って、何よりも先に防犯に向け、社内で対策しないといけない。未熟な空き巣と現金を置いていなかったタイミングに救われたが、本当に会社を守ってくれるのは、優れた鍵であることは間違いないのだから。